IMC株式会社  池田医業経営研究所

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医療機関の口コミサイトの出現

 

 美容医療サービスの広告による消費者トラブルの増加に対応するために、医療に関する広告規制の見直しを含む医療法等改正法が平成 306 月1日に施行されました。自院には関係ないと思われるかもしれませんが、ホームページを開設されている医療機関の方は念のために改正内容を確認されることをお奨めします。その理由は、広告規制の対象範囲が単なる「広告」から「広告その他の医療を受ける者を誘引するための手段としての表示」へと変更になり、ウェブサイトによる情報提供も規制の対象になりました。

厚生労働省は8月に「医療広告ガイドラインに関するQ&A」を公表し、1024日には前回のQ&Aに追加する形で、インターネット上での体験談(口コミ)に対して、「特定の医療機関の体験談に誘引性が認められる場合は、治療等の内容又は効果に関する体験談を掲載することができない」との認識を示しました。誘因性とは例えば、医療機関が患者やその家族に(有償・無償を問わず)肯定的な体験談の投稿を依頼するなどして、意図的に口コミの内容をよく見せるような場合です。

また医療機関以外が作成しているウェブサイト、例えば医療機関の検索サイト、個人のブログ、フェイスブック、ツイッター等について、投稿された感想に体験談が掲載されているようなこともあります。この場合は医療機関からの影響を受けずに患者やその家族が行う推薦に留まる限りは、誘引性は生じません。ただし例えば、当該ウェブサイトの運営者が、体験談の内容を改編したり、否定的な体験談を削除したり(当該体験談が名誉毀損等の不法行為に当たる場合を除く)、または肯定的な体験談を優先的に上部に表示するなど体験談を医療機関の有利に編集している場合、それが医療機関からの依頼によって行われたものであるとき、また医療機関がそのように編集されたウェブサイトの運営費を負担する場合には、誘引性が生じるとしています。

 

厚生労働省がインターネット上での口コミを注視している理由は、その影響度が大きいからでしょう。同省調査の「平成29年受療行動調査(概数)の概況」にあるように、ふだん医療機関にかかる時にほとんどの人は事前に情報を入手し、その入手先は、外来、入院ともに「家族・知人・友人の口コミ」が最も高く、外来で 70.6%、入院で 71.9%にも上っています。

 

また民間会社の(株)メディアコンテンツファクトリーが平成273月に実施した「医療機関受診に関する意識調査報告」によれば、医療機関を選ぶ際には、インターネットを活用して情報を収集することが一般的であり、医療機関を選ぶ際に収集する情報は、図表のように「家族や知人の口コミ」、「医療機関のホームページ(HP)に記載されている情報」、「医療機関の口コミサイト等の口コミ」の順となっています。一方、本や雑誌の情報、地域誌のような紙媒体は、情報収集にはほとんど活用されていないようです。また収集した情報の中で、もっとも信頼する情報としては、「家族や知人の口コミ」を選ぶ人が圧倒的に多く、医療機関が発信しているホームページ上の情報よりも、身近な人からの口コミの方が信頼性は高いという結果になっています。ただ家族や知人の口コミの情報源として、医療機関のHPに記載されている情報も含まれている可能性もありますから、医療機関のHPの充実が大切なことは言うまでもありません。

 

「医療機関の口コミサイト等の口コミ」の位置づけも高くなっています。自らを省みても、本を購入する際にはアマゾンの読者レビューを事前に確認しますし、ホテルや旅館を予約する際にはウェブサイトで評点や評判を確認します。パソコン等の家電を購入する際は「価格.com」、居酒屋やレストランを予約する際は「食べログ」等で同様に、口コミには目を通すようにしています。スマートフォンさえあれば、いつでもどこでも簡単に調べられるので、そのような行動形態をとる人は、増えてきているのではないでしょうか。

 

「医療機関の口コミサイトと言えば××」と言われるほどメジャーなウェブサイトはありませんが、利用者数もしくは登録医療機関数の多い*代表的な口コミサイトについて参考までに図表にまとめました。(*平成3010月末日時点における各社のウェブサイトの公表数値)

その他にもGoogleYahooで検索すると、医療機関によっては口コミが投稿されていたり、クリニック&病院及び歯科診療所の順番待ち・予約ができるEPARK(イーパーク)などでも口コミが投稿されていたりします。

万が一にでもネガティブな口コミが独り歩きしないように、事実と異なる書き込みがされていないかを確認し、また心当たりがある内容については自院内で改善を図ると同時に口コミへの返信ができるウェブサイトもありますので対応を取られされることをお奨めします。

 

図表 利用者数もしくは登録医療機関数の多い代表的な口コミサイト

ウェブサイトの名称

概 要

Caloo(カルー)

https://caloo.jp/

月間利用者数800万人、医療機関全国17万件。全国の病院、医科・歯科の診療所を、口コミ、評判、治療実績・手術件数から探せる。専門医・専門外来・女医などによる検索も可能。全口コミが目視確認後に公開されており、極端に低い評価の口コミは会員のみ条件付きで閲覧が可能。患者は口コミ登録によりポイントがもらえる仕組みとなっている。

QLife(キューライフ)

https://www.qlife.co.jp/

月間利用者600万人、医療機関全国17万件。医療機関の検索や薬の検索、医療ニュースの閲覧などができる、医療情報の総合サイト。会員は口コミ・アンケートの投稿で、ギフト券と交換できるポイントがもらえる特典がある。

病院の通信簿

https://www.tusinbo.com/

 

全国21.7万件の医療機関等の情報と9.2万件の口コミ情報を掲載。顧客満足度調査を実施する企業が運営。病院、歯科医院、治療院、産科小児科別に、患者に不満や要望・感謝の声を通信簿という形で付けてもらい、その結果を集計し公表している。

いい病院.ネット

https://iibyoin.net/

全国16万件の医療機関情報を掲載。診療時間や地図などの基本情報とともに口コミが見られるようになっている。「日本の名医 ゴッドハンド」というコンテンツがあり、心臓治療、外科、がん治療、脳治療、眼科、腰痛・関節痛、その他に分類して、医師のリストを掲載している。

ホスピタ

https://www.hospita.jp/

医療機関全国17万件。2006年から病院・クリニック・歯科医院の検索サイトとして運営、2017年からは「お医者さん(名医)検索」に力を入れており、医師が薦める口コミ名医・病院情報がある。患者が街の名医と出会えるプラットフォーム構築を目指し、医師の卒業医学部・歯学部、専門医、出身地、血液型、性別、趣味などの情報を掲載している。

出所:各社のWebsiteの内容を筆者が整理して記載。